若手銀行員の実態
既に覚悟が出来ている方も多いとは思うが、アナリスト、アソシエイト時代は大抵、が資料にミスがないかチェックしつつ “パワポのフォントがグローバルフォーマットと適合しているかどうか”にキャリア人生をかけて取り組むのである。
最近、アナリストーアソシエイトを6年やり、今年からバイスプレジデントになった外銀各社の友人達は、“結局1年目と大して変わらない泥作業が6年続いた”と嘆息する。
激務の果てに得られるモノ・失われるモノ
午後11時に家に帰れて喜んでいるのはもはや、労働時間に対する感覚が麻痺しているといえよう。そんな激務の代償に何を失い、そしていったいどれくらいお金もらえるのか。
新卒から6年目の最終アソシエイトで、基本給はせいぜい1200万、ボーナスは年収の100%弱のイメージだ。VPになれば1500-2000の基本給。ボーナス込でも4000万、5000万で、そこから税金やら何やらひかれて結局2000万くらいしか手元に残らない、という割に合わない人も結構多いのだ。
投資銀行部門の異常な労働家賃が100万近い高級マンションへ住むことも、高級外車に乗り回すことも夢ではないわけだが、これを支えに3年-6年の人生苦行に乗り出せるか。真剣に考えてこの業界に入るか考えるべきである。
激務のあまり付き合える友人は限られてくるだろう、恋人との時間もなくなる。友達や家族との時間も相当失われるだろう。肉体面での負担も相当だ。仕事のストレスで35歳でスキンヘッドの太っちょバンカーに変わり果てているかもしれない。
他にも稼げる仕事はたくさんある。スタートアップも最近は資金調達に成功して優秀な人材には手厚い待遇が待っているし、私の友人も某外資系大手企業からメルカリの重役に引き抜かれて楽しいキャリア人生を送っている。
2018年現在、投資銀行部門よりはよっぽど楽で、楽しくたそれなりに稼げる仕事も他にはたくさんある。しかし一体、何が悲しくて”外資金融”とやらにしがみつくのか・・・。
外資金融転職の基本は、自己認識(内なる納得感)が大切
貴方が投資銀行やリサーチアナリストとして、何を得るつもりなのか、その職場で何ができるのか、またその先を見据えた上で転職に臨んでほしい。
憧れの投資銀行に入った数年後、かなり高い確率であなたは違う仕事を探すことになっているため、何を得るためにここにいるのか、に関する納得感が非常に重要だ。
人は年収7万ドルを超えると、追加的な報酬がモティベーションに与える影響は提言していくというハーバード大学の研究結果は有名である。
知的労働者になるほど、自分が何のためにこの仕事に打ち込んでいるのか、という内なる納得感がモティベーションの重要な源泉になってくる。
その意味で、外資金融転職後に活躍するためにも、自分が激務の代償に何を得たいのかという納得感が重要なのである。