外資コンサル/外資金融就活の先にあるもの
私は全てに対して迷っている学生諸君に告げる。「テクニックに溺れるな」と。
私は本来は某外資系投資銀行で業界の最前線を走り続けていたが、一時、自分の興味本位で、プロジェクトが特に静かなときにリクルーティングに中心的に関わった事がある。トップ大学から、何百人という数の学生諸君と対談、面接そして数日にわたるセミナーやインターンシップを催してきた。しかし何百人と会っても、私が出会う人はいつも「一人」に終始している。
どういう意味かというと、あまりに皆が面接の技術や予備知識に溺れ、同じ台詞や同じ質問しか返ってこないのである。これでは面接官は仕事の疲れが増し、刺激もなくなり、人材発掘も不毛に終わる。
私は君たち一人一人に本当の自信を抱いて欲しい。教科書や面接・就職攻略本を熟読して得る感覚は自信ではない。「やることやったから、うまくいくはずだ」という、とても臆病な精神から由来する薄っぺらい安心感なのである。本当の自信とは、君個人がその根拠や背景を身をもってして把握した、確たる個性的な信念なのだ。
弊社「外資セミナー」を通じて、業界や仕事の内容を把握するのは大変有効である。しかし、私はその上であと一歩大切なステップを経て欲しいと思う。
自分一人の時間を普段から設け、自分の人生を自問自答しつづけるのである。この部分は 我々外資セミナーやその他の勉強会が、助けられる部分ではない。
貴方の真剣な自問に、答えはいらない。あればおかしいといってもいい。ただ自分はどこから来て、これから人生どこに到達しようとしているのか。それを本気で考え抜くのである。
自信や個人的な裏づけのない学生が、プロと面接をしても、「将来計画がないのでとりあえず年収800万欲しいから、できるだけネームバリューのある会社につとめておきたい」という本音を暴かれてしまう。しかし自分の人生の地図の、一体どこに志望企業が位置するのかを少しでも独自に熟考しておくと、面接中のやりとり一言一言に味と誠実さ、そして真剣さが増すことには違いない。
そして、謙虚さと奥ゆかしさを忘れないながらも、その個性的な味を滲み出す貴方という「人間」はすでに、全国その他の、テクニックに溺れた学生とは大きく距離を引き離しているのである。
お金が実際の根拠なら、それでもいい。でかい会社が本気で好きならそれも結構。ただし、それ「だけ」で終わってはいけないのだ。もっと深く自問自答し、フェラーリとポルシェを買って、モデルの彼女とワイキキのホテルでバカンスを楽しみ、ロスとマイアミでマンションを購入したあとの人生までも一度見据えてほしい。自分は一体結局どこに到達したいのか? こう自問すると、いかに人間の「目標意識」とやらが物質的で、短期的なのかが浮かび上がる。
しかし、それに結局退屈してしまう人が最低二人いる。
一人目は、貴方を面接する面接官で、二人目は、その人生をそのまま生きてしまう貴方自身である。