プライベートエクイティでのパートナー昇格~嘘とホント

プライベートエクイティでのパートナー昇格~嘘とホント

転職組による「パートナー昇格のウソとホント」につき解説します。

エリート社会の屈辱


プライベートエクイティ転職を目指す誰しもが、「上司やクライアントにこき使われる」屈辱に耐え抜いてきている。


たとえ外資系のエリートファームでも、なにがなんでもクライアントに奉仕して報酬を得る構造は、従来型国内企業とあまり変わらない。いや、エリートファームの人間たちのほうが自尊心が強く、部下への当たり方はむしろキツイ。


プライベートエクイティファームは封建社会


プライベートエクイティも例外ではない。創業パートナーからすれば、ファームは自分の可愛い赤子同然だ。後から入社した若造に、おいそれとGP報酬のエクイティ(=パートナー昇格)は渡したくないし、毎月25日に給与を支払うのだから、手足を動かして面倒臭い業務をせっせとこなしてもらいたい。


著者自身も、「うちの社風は自由だ」といわれたのを真に受けて自力で案件ソーシングに勤しみ、知り合った経営者を招聘した勉強会を主催しようとした。するとパートナーから「あなたにうちでそれを求めていない。頼んだ業務をこなしてほしい」と冷たく言われたことがある。


私のガラスのハートは粉々にぶち壊れたが、同時に痛感したことがある。パートナーになれない自分が甘んじるしかない、プライベートエクイティ社内の「封建社会的上下関係」だ。


では果たして、プライベートエクイティ転職するひとのパートナー昇格は可能なのだろうか。以下、「パートナー昇格のウソとホント」につき述べる。


忠誠心に報いるのが王道


プライベートエクイティファンドは、通常5年ごとに新ファンドをレイズし、その度にパートナーを1~2名加える。「年間運用報酬も管理するポートフォリオも劇的に増えるから責任者を増やす」、という理屈だ。


そしてその時のパートナー昇格には、創業時もしくは創業直後からいる古参のディレクターが、優先される。最近中途入社した転職組がいくら優秀でも、通常彼らは俎上に上がらない。ファームがまだ無名な時代から支えてくれた忠誠心に報いたい創業パートナーの気持ちが、そこにある。(見違えて無能なひとの場合は、もちろん例外)


ただ転職組にも、ほんの僅かながらチャンスはある。ファンドレイズの時、能力ある古参者がそうタイミングよく待ち構えているわけではないからだ。


過去5年間で加速化したベンチャー起業ブーム


昨今、パートナー昇格を待ちきれない優秀なプライベートエクイティ人材が、ファームを飛び出してベンチャーを起業する潮流が見逃せない。


この5~6年、社会の起業風景はがらっとかわった。クラウドの浸透で起業コストは安くなり、日本のVCやCVCの数とサイズは大幅に増えた。自分に起業アイデアがあり、共同創業者の目処もたった時、パートナー昇格の可能性も低いのにプライベートエクイティで安住している場合ではないと思い立つひとが増てきている。


事業法人投資部の誘惑


加えて、従来型プライベートエクイティの投資テーマに疑問を感じ、事業法人の投資部に役員待遇で移る人も出はじめている。


「系列解体のスピンアウトは、専門性が高くマクロ環境にも左右されやすい製造業が多く、独立系プライベートエクイティは入札で高値だけつかまされてリターンをだせない。一方で事業承継バイアウトは、良質案件の支配株主をみつけだすのも口説き落とすのも、言うは易しで実際はかなり機会が少ない。」というのが彼らの言い分だ。


こういう流派のひとたちは、「だからこそ大手事業法人に投資担当役員として入り込み、シナジーの見込める事業投資でリターンをだす」という思考につながっていく。


こうしてプライベートエクイティから、パートナー候補がまた一人、二人と減っていく。


パートナー昇格の実態


この潮流の中でも、ファンドの成功の秘訣は決して揺るがない:案件開拓力と資金調達力だ。「難しい」といわれているなかで、それでも良質案件を探し出し、支配株主を口説き、リターンを出してさらなる資金を調達してみせるのだ。


その並みならぬプロセスを5年のスパンで支えるディレクターたちこそが、次号ファンドレイズの時「パートナー昇格」をもってその貢献と忠誠心を報われる。


つまるところ、プライベートエクイティ転職したあなたは、どれくらいの確率でパートナーになれるのか。答えは「引き続き90%無理。でも予想外に空席があく事例も最近あり。」が正解といえよう。

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