企業再生請負人になり、日本企業を救う!ターンアラウンドマネジャーを目指すには?

企業再生請負人になり、日本企業を救う!ターンアラウンドマネジャーを目指すには?

企業再生に携わる仕事がしたいときに、どのようなキャリアが最適なのか。投資銀行、戦略コンサルタント、商社、不動産等、各キャリアが企業再生にどう活かされるか。早稲田大学の学生会員の方から、問題意識溢れる、準備万端の質問を頂きました。

早稲田大学 国際教養学部 KNさんより質問

1.私は、将来、日本の企業再生に関わる仕事がしたいと考えております。
特に、小売り、消費財、ホテルといったより消費者に近い産業で活躍するターンアラウンドマネージャーを目指しています。
企業再生には、財務面と経営・業務面の二つの側面からの改革が必要であると考えています。

M&Aや証券化などの投資銀行業によって、財務面から再生インダストリーに貢献する方法や、戦略立案という形で経営面から再生インダストリーに関わる方法があると思います。また、その2つの融合としてPEファンドという道もあると考えています。

企業再生という軸で就職活動を行った場合、志望先としては投資銀行、戦略コンサル、商社、不動産を考えております。

それぞれ事業内容やリスクの取り方は違うと思いますが、ターンアラウンドマネージャーになるということを考えたとき、どの職が最適であるとお考えになりますか。

2.人材が商品である以上、独自の特色を出すことは難しいと思うが、コンサルティングファームはどのように他ファームとの差別化を図っていくのか。

講師による回答

いや、本当に大学生の方ですか?思慮深く、準備の行き届いたご質問、ありがとうございます。

貴方が書かれている内容はほぼ正しく、また小売り、消費財、ホテルは再生ファンドが多く取り組む対象であったりもします。

企業再生のテーマは時期によっても異なります。2000年代前半はバランスシートリストラクチュアリングの真っただ中で、ゴールドマンサックスのASSG(Asian Special Situation Group) や、REPIAといった不動産自己勘定投資部門が大儲けしました。

しかし今や企業再生のテーマはバランスシートではなくPL(損益計算書)の方にあるので、戦略+オペレーション改善の経験がより企業再生キャリアに直結します。

ただ企業再生には銀行の協力(債権整理や返済延長)が不可欠なので、潰れそうな企業への法人ローン担当も、企業再生キャリアへ直結する役職の一つです。(ただいまは金融緩和じゃぶじゃぶで、資金繰り倒産はあまりないのですが)

では以下に、各業界について述べましょう。

投資銀行

投資銀行は特にM&Aが事業再生での必要ノウハウの多くを教えてくれるでしょう。
バリェーションや交渉もそうですが、将来のお客となる企業群との関係構築や、将来のサービスプロバイダーとなるバンカーとの人間関係の構築にも役立ちます。

また貴方が幸運であれば複数のディールクロージャーを体験できますし、様々なディールのストラクチュアリングも勉強することが出来るでしょう。

ただ今の市況での投資銀行ディールは企業再生案件は少ない(それよりエクイティファイナンスや海外買収が増えている)ので、下っ端時代の苦行の長さも勘案すると、あまり”企業再生に向けたファーストチョイス”とは言いづらいものがあります。(もちろん、企業再生ファンドのキャリアに繋がりやすいレジュメと経験を得ることはできますが)

戦略コンサルタント

戦略コンサルも再生ファンドで働く人々の主要な前職の一つです。
近年の事業再生はバランスシートリストラクチュアリングと資金注入で何とかなる問題ではありません。

コストカットのみならず、事業の選択や市場の拡大、ワーキングキャピタルの効率化や社員/経営陣の動機付けなど、戦略的・オペレーション的に様々なバリューアップが必要とされています。

実際ターンアラウンドマネジャーとして最も評価される指標の一つが、過去の案件でどれだけEBITDAを伸ばしたか、という点であったりもするのです。
この意味でコンサルでこれらのプロジェクトを経験することができれば、貴方の事業再生キャリアの大きな礎となることでしょう。

コンサルティングファームの中には再生案件の多い、日本国内ではあまり有名ではないものの、グローバルでこの分野で存在感のあるアリックスパートナーズや、マッキンゼーのターンアラウンド専門チームが有名です。

商社

商社出身者も事業再生ファンドで頻繁に目にします。
これは近年の商社は自己資本投資をする投資家としての側面を擁し、かつ実際に事業を回すプレーヤーとしての側面もあり、様々な事業パートナーを探しディールを締結するという意味で、コンサル・投資銀行・事業会社の融合的な役職も中には存在する為です。

ただし大手商社ですとどうしてもグループの縛りで出来るディールと出来ないディールがあり、また全社戦略の中での位置づけになってしまうため独立性の観点から独立系のファンドを目指される方がよくいらっしゃいます。

なお正直の話、商社で働くスキルと、企業再生に必要なスキルは往々にして遠い距離があるので、総合商社の志望動機などで間違っても”企業再生のノウハウを学ぶため。。”などと語らないよう気を付けましょう。(別に商社でリストラ案件、再生案件なんてめったに経験できないですし。)

不動産

最後に不動産ですが、これはバランスシートリストラクチュアリングのいい経験を貴方に与えてくれるでしょう。しかし上記3つに比べれば、貴方が不動産関連の再生を目指すのでない限り、スキルの汎用性と言う意味ではある種限定的です。

もちろん、再生対象企業のノンコア不動産売却という状況では役に立つこともありますが、上で述べた投資銀行よりもさらに企業再生キャリアには一歩遠いというのが私の感想です。

なお、日本の事業再生は総じてノンコア不動産の売却がセットで来るため、事業部門だけを請け負うファンドと、切り離された不動産だけを請け負うファンドに分けられたりもしています。

当然この時、不動産ファンドが不動産価格のリスクを取ることになり、事業会社に特化するファンドは不動産リスク(ダウンサイドもアップサイドも含め)を切り離すことができます。

結論を纏めれば、戦略コンサルの中でも事業再生案件の多いファームやチームに入るのが最も手っ取り早く、ご質問の中にはなかったものの、銀行の法人ローン担当で苦境にある業界を担当すれば、これまた企業再生に必要な修羅場の数々をくぐることができるでしょう。

投資銀行はバランスシートリストラが主ですが、好況と金融緩和のさなかこのアングルの再生案件は減っており、商社は投資銀行よりさらに再生キャリアから遠く、そして一番、現在の市況の中、企業再生キャリアに直結するイメージが持てないのが、不動産業界です。

以上御参考頂ければ幸いです。

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