コンサル業界は、どう考えても向いていない人が大挙押し寄せてくるので、とにかく内定を得るための面接対策に走る前に、向き不向きを自分に向き合い正直に考えることが重要です。
コンサル業界と言っても幅とレベルに差があるので、以下ではマッキンゼー、ベイン、BCGのMBBについて論じます。
まず第一に、基本的な情報処理能力が高くないと、かなりハンディキャップを負いながらの競争になるので、「自分はまじ、理解が遅く、記憶不能で、情報を取り出す能力も疑問」という自信があるなら、憧れと本職を明確に分ける判断が重要でしょう。
第二に、ずばり責任感のある人です。これはどの仕事にも共通することですが、やるとコミットした仕事を、期待以上の水準で時間通りに、できれば時間に余裕をもって仕上げる習慣がついているかどうかは非常に大きなポイントとなります。
第三に、資料をつくる能力というのも、バカになりません。本来、ワードで書けば3行で終わるような内容を、20ページくらいの壮大なパワーポイントチャートでお絵かきすることに絶望的な馬鹿らしさを感じるようであれば、若手コンサルとしていい仕事はできないでしょう。
逆に言えば、どのような内容でも、「おそろしくわかりやすく伝えること」に凄まじい情熱を持っているひとは、この意味でコンサルに向いています。
第四に、当然のことながら、人好かれするかどうかも非常に重要です。コンサルはお客商売なので、お客さんと暖かい関係を築けるかどうかもさることながら、一緒に働く同僚や上司、秘書さんから好かれる人物かどうかも、決定的に重要な要素となります。
ちなみに人好かれするというのは、単に遊んだり飲みに行くときに好ましい人物であることを意味していません。もちろんそうであることに越したことはないのですが、基本的に共感力と協調性があり、他人を尊重して一緒に気持ちよく働ける人のことを指します。
また同様の意味で、「あなたがいることで、周囲のモティベーションが高まり、チーム全体のエネルギーと生産性が高まる」といったリーダーシップも重要です。
逆に最も向いていないタイプが、せっかく頭はいいのに、攻撃的な性格で協調性がなく、徐々にプロジェクトから干されて使い物にならなくなっていく、頭だけ多少よいがコミニュケーション能力ゼロないしマイナス、といった、残念な人々です。
面接でありがちな失敗が、いわゆる「頭の良さ」をアピールすることだけに必死になって、コンサルの両輪である「人の好さ」を犠牲にして、次に呼ばれないタイプです。
このような「多少賢いだけの人」は世の中に吐いて捨てるほどいますので、あくまで「賢さ」は足きりみたいなもので、その他責任感や協調性といった人格要素が非常に大きいことを肝に銘じておきましょう。