コンサル転職の志望動機は、いくつかの典型的パターンがあります。
まず第一に多いのは、戦略をたて、組織を改革するプロフェッショナル、チェンジエージェントになりたいというもの。これは大手事業会社で経営改革のプロジェクトを経験して、ずっとこのようなプロジェクトで働きたいと思われたケースも多いですし、コンサルを使う側の時に、コンサルタントの優秀さに感銘をうけてそちら側で働きたくなった、という人もいます。
次に多いのが、現職が緩すぎて成長を実感できないパターンです。自社の緩さや経営陣への不満、危機意識や向上心の無さ、同僚や上司から学ぶものが何もない、という不満からコンサル転職を志望されるケースも多いです。
第三に、コンサル転職の志望動機がかなりニッチな理由になってしまっている方もいらっしゃいます。例えば技術者だったのが、技術投資が経営に結びついておらず、技術を収益化したいという理由でコンサル転職を志望されるケースがよくあります。
しかしながらこれをコンサル面接での志望動機で強調すると、”別にそんなことばかりやってるわけではないし、そんなプロジェクトも少ないんだけど”と、志望動機と実際の業務の整合性の乏しさから面接で玉砕される方も少なくありません。
これは、”環境問題を技術で解決したい”や”途上国の貧困問題解決に貢献するプロフェッショナルになりたい”という、志は立派なものの、あまりコンサルプロジェクトとかけ離れた志望動機を主張される方にも相通じる、「そんな志望動機言われても、困る」という典型例です。コンサル転職の志望動機は、地球規模で大きくなりすぎても、逆にニッチになりすぎても現実とかけ離れてしまうのです。
コンサル転職の志望動機を話される際は、ご自身がコンサルを目指される契機となった、今の会社での原体験を語るのがオーソドックスです。
そして、そこでの経験がいかにコンサル業務の本質にからむものかを説明しましょう。つまり問題を発見し、それを解決するためにプロジェクトを立ち上げ、人をアサインし、うまく動機付け、仮説を構築してPDCAを回し、組織全体の生産性が高まった、等々にからめるのです。
結果的に、ご自身はコンサルをやりたく、しかも向いている、ということをアピールする内容にストーリーとしてつながっていることが望ましいのは言うまでもありません。
コンサル転職に際して志望動機を語られる際は、くれぐれも「それをアピールしても、コンサルに関係ない」ということを言ってしまわないよう、本質的にコンサル的な仕事がしたく、適正があり、自分の将来ビジョンと成長したい方向性にフィットがあることを示すのが一般的な流れとなります。