プライベートエクイティ社内での「嫌われもの」徹底解析

プライベートエクイティ社内での「嫌われもの」徹底解析

本コラムでは、プライベートエクイティ入社後、社内で嫌われる人の典型パターンを解説し、そこから得られる教訓について解説します。

履歴書・面接で見破れない「職場での相性」


プライベートエクイティ転職に成功するひとは、エリート中のエリートだ。名門大出身なのは当たり前。ゴールドマンやマッキンゼーでの経歴も特に普通。コロンビア大学のMBAをもっていても「ああ、ニューヨークいったんだね」といった感じだ。


こうした「地頭のよさ」と「勤勉さ」は履歴書等で可視化されるので分かりやすい。他方で、入社後の「相性」や「ケミストリーフィット」というものは、面接をしてもなかなか見抜けない。だから、「ちょっとやばいひと」たちもプライベートエクイティに入社してくる。


本コラムでは、プライベートエクイティ入社後社内で嫌われる人の典型パターンを解説し、そこから得られる教訓について述べてみる。


もったいぶったエリートは即アウト


大企業を創業したり頂点まで登りつめたりする人ほど、能力もさることながら人格も一流なものだ。謙虚且つ人格者でないと良質のクライアントや取引先もつかないし、社内の人間も、そのリーダーにはついていかない。


しかし、それに気づかない若手の自称エリートは意外に多い。


最近は、霞が関官僚がプライベートエクイティに入る例もでてきている。その時にありがちな勘違いが、「官」からすれば「民」はすべて格下、という危険な発想だ。そして、多岐にわたる大手企業の頂点を渡り歩いてきたシニアパートナーに関しても、「あの人は所詮「民」だから」みたいな言動をした元官僚アソシエイトを、筆者は知っている。


そのパートナー本人は人格者だから耳に入っても知らないふりをするが、周囲はその「勘違いぶり」を決して見逃さないし、忘れない。


プライベートエクイティ転職組がどんなにエリートでも、創業者やシニアパートナーには「実績」の面において全くかなわない。もし対等に渡り合えるなら、「転職せずに自分でファンドを立ち上げてみろ」となるのは当たり前だ。尊大な態度をもつ自称エリート転職組は、プライベートエクイティでは嫌われる。


ただの「評論家」もアウト


プライベートエクイティの本質はリターンのでる案件発掘力と、資金調達力だ。これだけをできればそのプライベートエクイティは成功するし、逆にこれらができなければそのプライベートエクイティに次号ファンドは集まらない。


プライベートエクイティには、確かにレポーティングやファンドアドミなど、リターンを出す仕事以外のバックオフィスでやりがいある仕事もある。しかし、それは専門技術職だ。あなたが投資チームで頑張りたいなら、ソーシングとファンドレイズへの具体的貢献なしに、成功はありえない。


だがその功を焦る結果、成り下がる人がいるのが「評論家」だ。すごくまっとうに聞こえるのだが、基本的に批判的な意見に終始し、その一方自分自身が持ってきた投資案件やLPの話ではないので、自分では手を動かさない(というか、動かさせてもらえない)。


「正論ばかりいってたらビジネスははじまらない」という現実は、プライベートエクイティ業界でも同じである。創業者とMBO案件について口説くときに、評論家屋さんが投資委員会で、覚書でその創業者を早期に縛ることばかり注文しては、「ここまでのステージだけでも、同じくらい魅力的案件をもってきてから言ってくれ」と担当者は言いたくなるだろう。


完全無視されつづける評論家は、次第に「こんな担当者チームにはこの案件をファームとして任せられない。心配だ」とか言い出して近くに座っているアソシエイトをひっぱりだして巨大な「チックリスト」と「To-do リスト」を作成させ、夜中2時に自分でメール回覧する。そして、だれもそれらファイルを開けないままその人は嫌われてゆく。


だから、読者諸君もプライベートエクイティ転職後部下ができても、自分の思いついた正論が、ドロドロしたリアルな世界で本質的に案件ソーシングと資金調達に役立っているのか、冷徹に考えてから行動してもらいたい。自覚のない評論家が、一番嫌われる。



最後に、「政治家」もアウト


人が3人集まれば派閥ができるという。それは、プライベートエクイティでも同じである。そして社内政治は、超エリート金融機関であるプライベートエクイティファームでは非常に疎まれる


しかし、案件発掘と資金調達がなかなかできずにいる中堅転職組ほど、功を焦るがばかり政治家色を帯びる場合がある。パートナー主催の社内飲み会をやたら主催したり、活躍している同僚や後輩をモデルとの合コンに誘ったり、共同プロジェクトに巻き込んだりするケースが多いのだ。


そうした政治屋さんは、パートナーの部屋で二人きりになった拍子に、「僕さいきん(活躍目覚ましく社内で一目置かれている)A君と一緒にXYZX産業の会長に食い込んでるんです。今度2人で大阪行ってきます」と言い放つのだ。ぎりぎり嘘にならない範囲で、最大限自分の功績を匂わせる。


門戸の狭きプライベートエクイティに、こうした政治屋を見破れないお馬鹿さんは一人もいない。こうした人物は全社内で「功に焦った政治屋さん」のレッテルを貼られ、投資委員会で何を発言しても周りはうなずくだけで微妙な「しーん」と沈黙が続き、リアクションなしに皆が本題に戻っていく流れが形成されてゆく。


ストロングキャリア読者には常に上下関係なく謙虚に振る舞い、他人の功績を敬意もって祝福し、政治家とはいつも距離を置くようにしてもらいたい。

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