都市銀行勤務 男性より質問
コンサルティングファームへの転職を希望していますが、バックグラウンドが金融であることもあり、金融関連のプロジェクトが多いファームに転職したいと思っています。どのファームが金融関連のケースが多いとか、もしあればお教え下さい。
講師による回答
金融関連プロジェクトは多い
ご質問ありがとうございます。若いころはあまり前職に縛られない方がいいですし、今どき金融機関での経験が、金融機関へのコンサルに生かせるともあまり思えないですが(そもそもビジネスモデルとデジタル変革未対応の問題なため)、マッキンゼー、ATカーニーBCGなどは日本でも金融機関のクライアントを多く抱えています。
多くのトップティア・コンサルティングファームにとって金融業界は大口顧客の一つです。いまをさかのぼること20年前に長銀が崩壊した際を始め、コンサルティングファームには多くの金融業界出身者がいることもあり、各コンサルタントの出身バンクとのつながりが強いファームもよくあります。
しかもいま、銀行に未来がないという問題意識から多くの若手バンカーが弊社に登録し、コンサルなどへの転職を試みています。
金融機関向けコンサルは、案件のデューディリ案件が多い
さて、金融業界向けのプロジェクトで特に多いのが(景気やバリュエーション水準、政府や銀行の貸出姿勢にも依存しますが)バイアウトファンド向けのデューディリジェンスプロジェクトや、投資後のPMI(Post Merger Integration)プロジェクトです。
マッキンゼー出身者がPEファンドに多いため、出身母体であるマッキンゼーにケースを依頼することも多いのですが、ファンド向けプロジェクトが最も多いコンサルティングファームとなると、ベインアンドカンパニーが挙げられます。
プライベートエクイティファンド向けコンサルは、ベインが圧倒的に強い
最近ベインのファンド業界担当パートナーの方と直接お話をする機会がありましたので、そこでの要旨を以下に紹介しておきます。
ベインアンドカンパニーはビルベインがBCGから独立して設立したファームで、利益に繋がるコンサルを志向する、というのがファームの設立コンセプトです。
結果的に顧客企業の平均株価はS&P500を大いにアウトパフォームしています(と申しましても、顧客企業がどれなのか開示されないので証明しようがないのですが)。
ファイナンシャルインベスター(PEファンド等、金融機関投資家の事)の仕事も多く、この業界に特化した仕事を始めたのはベインであることもあり、他社の3-4倍の”ファンド関連プロジェクト”をこなしている、話されていました。
今では東京事務所の仕事の3割も投資ファンド関連の仕事だったりすることもあり、金融関連、特にファンド関連のコンサルティングプロジェクトを志向されるなら、ベインアンドカンパニーが最有力ファームの一つといえるでしょう。(実際ベインキャピタルを創設し、優れたパフォーマンスを残していますし。)
なお、最近話しました国内の某大手バイアウトファンドのパートナーの方のお話によりますと、”アーサーディーリトルは市場をよく理解した上で戦略を提案してくれるので、信頼できるし、使い勝手もいい。よく働く人たちだ”とのコメントを耳にしましたので、参考にここで紹介させて頂きました。
また、ローランドベルガーも、「MBBに比べて3割以上安いのに、MBBより3割以上よく働く」と、ユーザー側にとっては好評(働く側にとってはその分労働量が多いのですが)だと付け加えておきます。