東京大学農学部 大学院 男性より質問
昨今、日本でもM&Aが数多く行われるようになりましたが、その中には売り手側株主や買い手側株主だけの利点になる案件、すなわち従業員などにとってはマイナスなM&Aも多々存在するかと思います。
また、会社が株主のものであるという観点では短期的な利益の追求が経営陣の課題となり、長期的な成長が実現されないこともあるかと思います。
これらの点を考慮すると、一概に会社は株主のものとは言えないと思いますが、しかし、現在の流れとしては会社は株主のものとする考えが主流になりつつあるのではないかと思います。
この流れはさらに加速するのでしょうか。
講師による回答
会社とは、誰のものか?
加速しないですし、加速させてはいけないのです。
企業価値とは、本来定義次第です。企業とは何か、価値とは何かを考えると、起業が果たすべき役割とはなにか、どのような価値観を重視するかという哲学的な問いに行きつきます。
しかし金融市場で定義されている株主価値、ないし企業価値は資本価値の側面に過ぎないのに、その最大化が目的とされ、他の価値が無視された反動で貧富の格差拡大に繋がりました。
むしろ今はこの流れが再考され、どのような多様な価値を企業価値とするのか、経営者や投資家、社会の価値観が試される局面になっています。
企業価値の再定義を、皆さんはどのように考えられるでしょうか?以下に企業価値...