コンサルタントや投資銀行社員の悲哀~実は財務諸表が読めない!

コンサルタントや投資銀行社員の悲哀~実は財務諸表が読めない!

コンサルトップファームや名門投資銀行で働いていても、実は財務諸表が読めなかったり、バリュエーションの基本やトリックを深く理解していない方は数多くいらっしゃいます。なぜこのような事態が発生するのでしょうか?

外資系投資銀行にいるのに、財務諸表を読めない人々

金融機関で働いていると、財務のプロという印象がありますが、意外なことに必ずしもそうではありません。例えばファンドセールスや、金融商品のセールスチームの人は、日頃企業の財務分析をする機会もないので、入社時にニューヨークやロンドンの研修で、慣れない英語で何となく勉強した記憶はあっても、実務的にはまったく理解していないことが大半です。

「外資系証券会社で、債券を国内機関投資家に向けにソリューション提供している」といっても、実は東北や九州の地銀のオジサンに、散々連日接待ばかりしているのが業務の実態、という人も実際には多く存在するのです。実はこれが、営業で働く人の”実は私、モデルをつくれないどころか、財務諸表も大してわかってないんだよね”というコンプレックスになっていたりします。

投資銀行部門のアナリストやアソシエイトも、実はよくわかってない人も多い

なお、日頃財務分析やバリュエーションばかりやっているはずの投資銀行のアナリストやアソシエイトでも、下手したら財務諸表やバリュエーションをよくわかっていない人もたくさんいます。

これは日頃の激務で金融知識を殆ど必要としないピッチブックばかり作っていたり、雑務に忙殺されている間に、ろくに金融知識を身に着ける暇もなく、肩書きだけ”外資系投資銀行のアナリスト”になってしまっているケースです。

大学やMBAで学んだはずの”デュポン分析”などをやっている場合ではなく、「財務諸表を読む」とは、過去の財務諸表や競合のそれとの比較をしてダイナミックなトレンドを読み、深堀ポイントやインプリケーションを引き出すことを意味します。

コンサルタントの財務・バリュエーションは教科書的空論になりがち

なお、コンサルタントにしても、金融業界で働いたことがなく新卒からたたき上げでずっとコンサルやってきました、というケースでは、テキストで教わる理論(恐ろしいことに、モンテカルロシュミレーションや、リアルオプションのバリュエーションを持ち出して投資家を唖然とさせるケースもあり)に走りすぎ、実際の実務で投資家が本当に気にするポイントを大いに外した財務モデルを作ってしまうケースも、”コンサルのポンコツバリュエーションあるある”と言えるでしょう。


セルサイド投資銀行だけだと、意外と”真剣な投資用のモデル”は作れない?

投資銀行などセルサイドしかやっていないと、”良く分かっていない顧客に企業を売り込むための、怪しげなモデルしか作れないケースも散見されます。

それこそ経験豊富なバイサイド投資家がみたら一発でわかる比較対象企業の不適切な選定や、根拠なきWACCの変更、不自然極まりないマージンの改善や、根拠に乏しい売上成長率の想定。

そしてもはや投げやりにすら見える、数年後から毎年3%成長になっていて、5年くらい不況がまったく想定されていない不自然エクセルモデルばかりつくることに慣れてしまい、”投資する用の真剣なモデル”を創れず、”よくわかっていない人にもっともらしく売り込む用のモデル”しか作れない人になってしまいかねないのです。


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