ローランドベルガーへの転職前に知るべき7ポイント~日本での評価・年収の実態!
ローランドベルガーはATカーニー同様、Tier2の戦略コンサルティングファームです。中規模であること、後発であること、欧州系であることからくる特徴を以下にまとめます。
1.ローランドベルガーはMBBが受けない仕事を高いレベルで行う
後発で中規模でブランドが比較的弱いことから、マッキンゼー、BCGが受けなかった安い案件、クライアントの期待値が高い案件を拾うことになります。
またはなからMBBだと値段が合わない単価安めの案件を受けることもあるので、結果的にMBBがトップマネジメントをカウンターパートにするのに対し、現場レベルのカウンターパートが多くなります。
しかし値段がMBBより安い割に、プロジェクトスコープを広くとり、時には度外視して働いてくれるので、クライアント受けの高いファームとして業界では有名です。
2.ローランドベルガーはPEファンドからデューディリジェンス案件で高い評価
近年のファームの拡大は、PE業界の拡大とデューディリジェンス案件の増大が成長要因の一つとなりました。実際にPE案件のデューディリジェンスでベルガーを使った案件をいくつも見ましたが、総じて満足度の高い頑張りぶりを見せてくれます。
お値段以上の働きをするという意味で、コンサル業界のニトリとの異名を(私の中では)持っています。
実際に仕事で知り合ったPEファームに気に入られて、転職を果たしたケースもあります。
3.ローランドベルガーは自動車・製造業に強い
ドイツ出身ということで自動車業界に強く、また製造業に強みを発揮します。逆に言えばソフトウェアやIT関連でプレゼンスは低いです。
この製造業に強いドイツ出身という特色が、製造業クライアントの多い日本でフィットの高い背景ともなっています。
4.ローランドベルガーは新卒採用された若手にも裁量がある
小規模ファームの特徴として一般的ですが、人手不足でシニアの層も比較的薄いため、若手が裁量と責任をもって働く機会に恵まれています。
また若手が激務の環境で働くので、仲が良いことでも知られています。
5.ローランドベルガーはドメスティック体育会系カルチャーで、労働時間が長い
欧州系といえば洗練されたワークライフバランス重視のファームを思い浮かべるかもしれませんが、実態は逆となります。
日本人が中心で、昔から長時間体育会系カルチャーが強かったため、効率性やワークライフバランス度外視で、とにかく長時間働くことが当然視されているきらいがあります。
結果的にクライアントにとっては満足度が高まるのですが、そのしわ寄せは現場で働き続ける若手コンサルタントにいくことになります。
6.小規模コンサルファーム特有の”戦略ファームなのに戦略が不透明”問題
小規模なのでマッキンゼーのように業界ごとに専門性を磨くことは難しく、また日々の仕事が忙しいので自社の戦略が不透明という不満が聞かれます。
これは小規模戦略ファームにありがちな現象ですが、昔からいる古参のパートナーが長期間支配していて、上が詰まっているから優秀な中堅が流出するという挑戦にも直面しています。(以前ADLがチャプタ―イレブンで混乱した時に多くのコンサルタントが移籍しましたが、その後BCG拡大局面で大量にBCGに移りました。)
7.ローランドベルガーの東京オフィスは、日本市場でのブランドが比較的弱い
ブランドはMBBに比べ明らかに弱く、それがプロジェクトの単価や報酬水準、労働量と人材獲得の難しさにつながっています。
もちろんコンサル志望者は多いので常に志望者はいますが、クオリティを満たす人材がトップティアにまず流れるという問題は、ATカーニーと同じ課題といえます。
実際にMBAなどに行って、マッキンゼーに鞍替えというケースも数多く聞かれます。
フィット確認と面接へのインプリケーション
これらの特徴を鑑みると、
①グローバルトップファームの一角だと広義にプライドを満たし、
②中規模だからこそ若手に裁量と責任感があるから、激務をいとわず頑張りますというカルチャーフィットを示し、
③製造業・車が好きなのでこの分野で強いファームが望ましいなどとありきたりの一言も加えつつ、
④PEで働いている先輩から、価格に対してクオリティと満足度が高く、評価が高かった、
⑤自分は体育会系出身で、気合と根性で長時間、質を高めるために頑張りぬく自信がある、
などというのが、一般的なストーリーになってくるでしょう。
(もちろんご自身の体験と結びつけながら、自分の言葉で肉付けできるようにしておくのは、言うまでもありません。)