コンサルファーム選び~大規模MBBより、小規模コンサルを選ぶ3大メリットとは?
慶応大学法学部Hさんより質問
私は、業界ベースではコンサルを第一志望としてそれ以外は考えていないが、その中でどのファームを第一志望とするか、についてはまだ決めかねている。
そこで、BCGやMckのような大規模ファームと、ADLのような小規模ファームを比べた場合のメリット・デメリットについてお伺いしたい。
特に、大規模ファームと小規模ファームに受かって、あえて小規模ファームを選ぶことのメリットはどこにあるのか、という点について詳しくお聞きしたい。
講師による回答
小規模コンサルファームに転職するメリット
個別ファームについて答えるものではないが、一般的に小さなファームだと、第一にあなたの実力次第では裁量権が早くから与えられる。
これは単にシニアのマネジメントが少ないからというしょぼい理由にも起因するのだが、入って数ヶ月で中国、アメリカ、マレーシアを一人で回ってインタビュー調査して、、、みたいな志望者諸君が外資系に抱きがちな楽しげなケースも実際に多々存在する。
お客の前に出て、重要なパートを任せられるのも早ければ、プロジェクトリーダーとして小さなケースを任されるスピードも速いかもしれない。
第二に、アットホームなカルチャーで社内政治が少ないことが多い。これは、20人や30人といったコンサルタント規模だと、400人といった大所帯に比べて派閥争い、政治争いに費やす時間と労力が一般的に少ないので、社内政治が苦手でアットホームさが重要という人は、小規模コンサルファームがこの点魅力的になるだろう。
また第三に、自分が組織に与えるインパクトが大きくなる。それこそ、20人のファームであれば、あなたは全コンサルの5%を占めているわけであり、10人説得したらファームの過半数が賛成する社内方針を作ることができる。
また自分がスター選手であれば昇進が早いのみならず、パートナーになった後の次期社長の椅子も見えてくる。
おまけにアップオアアウトも緩い傾向にあり、チーム一丸となって「大手には負けない」という反骨精神と一体感が生じやすい傾向にある。
小規模コンサルファームに転職するデメリット
小規模コンサルファームを選ぶことのデメリットは、まず第一にケースの内容、業種/企業が偏りがちということだ。全社戦略やMAアドバイスをしたいと思って入ったあなたが、二年間茨城県のメーカーに派遣されて地場産業の建て直しに奔走、、、などというリスクもあるだろう。
ないし、戦略系に入ったと思ってたら、やってるのはRPAやERPの導入ばっかりで、SI屋さんと大して変わらなかった、という人も存在する。
第二に、給料は低い。もちろん他業種に比べれば30前半くらいまではまだもらっている方だが、MBBに比べてADL,ベルガーなどは新卒一年目は大差ないにしても、数年後から30~50%の差がついてくる。これがCDIや経営競争基盤ではさらに低くなり(後者は既に大きくなってきているとはいえ)、さらに小規模ブティックファームになると、さらに低くなってくる。
第三に、コンサルなのにコンサルファーム自体が成長していなくて、かつ上の入れ替わりが少なくて組織全体に停滞感があり、お山の大将や井の中の蛙的になってしまっている小規模ファームも少なくない。
総じて小規模コンサルファームが大規模コンサルファームに比べて優れているといえるのは、以下の条件が満たされた時である。
①小規模だが単に少ないわけでなく、少数精鋭でトップファームで成果を上げた人材が独立して一緒に働いている
②自分がフォーカスしたい分野では、そのブティックファームがナンバーワン
③とにかくチームが好きで、人たるもの、何をやるかより誰とやるかの方が大切だ、と人生観・職業哲学的に悟っている
コンサルファーム選びをされるうえで、是非ご参考にされて欲しい。