プライベートエクイティの本質は超エリート集団による「営業」
プライベートエクイティに「営業スキルは必要ない」などと勘違いしているエリートは、意外に多い。現実はむしろ真逆だ。
プライベートエクイティ業界は、人間対人間で相手側に好かれないと、なりたたない。事業承継案件をバイアウトしたくて創業株主を口説くときもそうだし、LP投資家担当者があなたを好かないと、だれもアンカー投資家(ファンドレイズで一番最初にコミットの名乗りあげてくれる最重要投資家)にはなってくれない。
さらにいうと、その投資家が信頼され、好かれる人間でないと、優秀な実務家もそう長く彼の下で働いてくれず、他社に転職してしまうのである。
そして、グローバルでLP資金を集めるファンドは、営業スキルもグローバルでなければいけない。本コラムでは、日本拠点のプライベートエクイティが年次報告のために海外LPを日本に集める「年次報告会」の営業現場について解説する。
「オードブルおじさん」の驚愕
「報告会」とは名ばかりで、カリキュラム的には冒頭にだけファンドのパフォーマンスや最新の進捗を共有するものの、...