マッキンゼーからの転職者、凄いコンサルと全く凄くないコンサルの違いとは?
1.マッキンゼー社内で評判が高いか低いか
マッキンゼー出身者でも、中には一気にアソシエイトパートナーかパートナーまで上がり、コンサルプロジェクトを回せるのみならず案件まで取ってこれるようになった人と、単に2,3年コンサルやっただけで文字通り「在籍しただけの人」の間には雲泥の差があります。
マッキンゼーパートナー退職後に優秀な同僚やOBを引き連れPEファンドの投資先の社長を歴任し、プロのオペレーティングパートナーとして活躍する人は、企業再生や成長のために仕える「レバー」を数多く有しています。
これに対し単に在籍しただけの人は、せいぜいインタビューや資料作成といった1年目、2年目の、比較的頭を使わない基本作業の一部が出来るだけです。しかも本質的なコミュ力が低いので上手く他人を巻き込めず、一人抱え込んで他人に上手く任せられず、生産性と評判が低いのです。
レジュメにマッキンゼーと書いてあるからと言って、マッキンゼーで学べることをきちんと学び、評価されて昇進が速かった人と、一度も昇進せずに実質”アウト”だった人では、雲泥の差があるのです。
2・マッキンゼーに、実力で入ったか違う要素で入ったか
某大手広告会社じゃあるまいし、マッキンゼーで縁故採用なんてあるものかと思われるかもしれません。
しかし中にはマッキンゼーのパートナーの娘やその支社オフィス社長の姪などが(まぁ、似たようなことはBCGでもありましたが)、難なく入って、しかも1年そこそこで社内の優秀なコンサルタントと付き合いだし、一年後には寿退社という人もいました(いや、彼女も”優秀”だったので、必ずしも縁故ではないかもですが)。
彼女は在籍期間中、恐ろしいことに、結婚相手探ししかしていませんでした。しかし要領よくスター選手と交際し、彼が某国オフィス(都市名まで書くと、マッキンゼー社内の同期近くの人は一発でわかるため)に転勤するときについていきました。
そして現地で「元マッキンゼー社員」と肩書で起業し、おまけに「そんなもん売れるか!」というやっすそうな食品をオンラインで売って、何とびっくり、大儲けしたのです。
本人特定を避けるために一部情報を変えています。ただ、マッキンゼーに入るにしても、ある意味完全競争ではなく、入社に有利な立場の方もいるのです。
ちなみに私の友人は全然コンサルに向いている人ではないのですが、叔父が某主要戦略ファームのオフィス代表ということで、なんなく夏のインターンから正社員職を得ていました。
世の中、入社時のハードルの高さは、それぞれの環境によって異なるのです。
3・マッキンゼーで学んだ「働き方」を、次の職場で活かしているかどうか
マッキンゼー転職者の成功組は、マッキンゼーで学んだ行動様式やカルチャーを次の職場や自分のスタートアップに活かします。
したがって、マッキンゼー出身者が経営を担う会社の行動指針(Guiding Principles)や社員評価方法は、マッキンゼーカルチャーが色濃くトランスファーされるのです。
かつ、そのやり方はある程度質が担保されたプロフェッショナルファームでこそ効果的であり、人のタイプによってどのような評価方法やマネジメント方法が効果的なのか、相手を見て対応を切り替えることができます。
これに対してマッキンゼーで学んだ働き方を次の職場で活かせない人は、そもそもマッキンゼーカルチャーや行動様式が体に染みついておらず、爪の先にマニキュアとして塗られている程度の浸透度です。
しかしながら「元マッキンゼー」が自身のプライドの中核をなしているので、そのやり方が当てはまらない事業会社で「マッキンゼーでは、、」などと振りかざして、めっちゃくちゃ煙たがられています。
特に中途転職で入り、前職とのあまりの違いに違和感を抱き、馴染めずにすぐ再度転職した場合は、レジュメ上の「マッキンゼー」とは裏腹に、行動様式が全く「マッキンゼー」でなかったりもします。
4・マッキンゼーに入る前での、目的意識の違い
最後ながら重要なので強調したいのが、マッキンゼー入社前からの目的意識の違いです。
マッキンゼーからのよい転職をする人は、マッキンゼーに入る前からそもそもマッキンゼー後にやりたいことが決まっていて、マッキンゼーをそのビジョン実現のためのステップとしてとらえています。
目的意識が強いのでマッキンゼーコンサルタントとしての成長速度も速く、かつマッキンゼーx「自分がやりたい分野」の掛け算で自分の希少価値とブランディングを高めていけます。
この「入社前からの目的意識の強さ」は、マッキンゼーに限らず、あらゆる難関プロフェッショナルファームで活躍するヒトの共通点ともいえるでしょう。
これに対しダメなマッキンゼー社員は、マッキンゼーに所属することが目的になっており、特にやりたいこともないので、そのために学びたいこともありません。
しかしながら、「単にマッキンゼーに数年いただけ」で終わると、世にいくらでもいるマッキンゼー出身者のワンオブゼムで終わります。いくら頭が良くても同様のスペックの人がたくさんいるため、特に30後半までコンサルにいてしまうと、社会的には意外と付加価値が無かったりするのです。
「元マッキンゼー」と聞くと凄そうなブランドイメージが漂いますが、その中身をよく見ると、ピンキリです。
マッキンゼーで活躍し、そのブランド価値をさらに高めた人と、マッキンゼーに在籍しただけで全く昇進せず、しかも「元マッキンゼー社員」としてそれにすがって生きていく人には、雲泥の差があるのです。