クレディスイス証券の、他投資銀行に比べた特徴とは?
クレディスイス証券は、グローバルでは非常にブランドと組織の強い総合金融機関です。
しかしグローバルのブランドとプレゼンスの強さが、日本における投資銀行業務での強さには全く繋がっていません。
伝統的にプライベートバンクでは世界のリーディング企業ですが、後発の投資銀行業務では、日本支社の位置づけが小さくなる一方です。
そんなクレディスイスに転職・就職するとしたら、どのようなストーリーがあり得るでしょうか?以下に解説します。
1・プライベートバンクは世界トップの一角
クレディスイス証券はUBS同様、スイスに資金を預ける富裕層の資金管理・資産運用で大きくなった会社ですので、プライベートバンキングはグローバルトップの一角に位置付けられます。
近年の途上国の経済成長の貧富の格差拡大による富裕層の増加を受け、本業回帰でプライベートバンク業務を拡張しており、高給を支払いトップMBAからも多くの卒業生を雇用しています。
2・弱くても外資系投資銀行~新卒一年目で1000万超え
クレディスイス証券の日本でのプレゼンスは、日本市場参入後から一貫して弱いままですが、給与水準はトップティアと遜色のない、マーケットプライスが支払われます。
投資銀行部門では米系と同じく、今や一年目から1000万円越えの状況です。
しかし若いころのベースが上がったとはいえ、規制強化でトータルのボーナスプールに限界があるため、シニア層のボーナスは
3・フラットでドライ
クレディスイス証券には長期勤務する人があまりいないので、ウェットな人間関係も希薄です。
UBSのようにクリスマスパーティを必死にするカルチャーもないので、個人主義でドライな環境を好まれる方は、この点、「本業に関係ない社内イベントに時間をとられる」ことがないのはありがたいでしょう。
逆に言うと、このくらいしかトップティアバンクにある意味勝ってるところがないともいえるのですが。。
4.特定のニッチ分野で強み
社内パーティーの少なさだけが強みなわけはなく、例えばエクイティマーケットですと短期売買のヘッジファンド顧客のカバレッジでは、これまた”だから凄いだろ!”と言いづらいのですが、CSは強みを有しています。
(しかしこれも、優良なロングオンリーの大手資産運用会社は大手に取られていて付け入るスキがないから、という説もあるのですが。。)
また、人員を割かなくても勝負できるアルゴリズムトレーディングでも高い評価を受けています。
以上を鑑みたとき、クレディスイス証券を志望されるときのありうる志望動機としては、どのようなものがありうるでしょうか?
可能性としては、プライベートバンキングに入るか、とにかく短期的でもいいので投資銀行業務を経験したいか、新卒で留学費用を数年で貯める必要があり、グローバルブランドをレジュメに欲しい場合などが挙げられるでしょう。
なお他の意外なアップサイドとしては、香港などは業務拡大しているので、部門によっては日本採用の新卒が香港やシンガポールで数か月働くという機会もあります。
というのも私の大学の後輩が最近、日本オフィスの〇〇営業(人数が少ないためぼかします)に採用されたのにしばらくすると香港で働いていたので。。ただし彼も1年で辞めてしまったあたり、職場カルチャーの悪さは改善の余地が大いにありそうです。