マッキンゼー転職後に成功するために知っておくべき、7つの企業カルチャー
1.クライアント・ファースト(クライアント・リーダーシップ)
マッキンゼーでは、クライアントに価値を提供することが最も重視されています。
そのためにはクライアントの課題を理解しなければなりません。また時にはクライアントが気付いていない課題を抽出し、優先順位付けに納得してもらわなければなりません。
「価値」の定義は本来難しく、究極的には人生観や哲学、価値観の領域に踏み込むもの。
だからこそ、そのクライアント企業および担当者が重視する価値観、つまり「何が深い意味でありがたいのか」を理解したうえで、顧客の信頼と高評価を勝ち得なければなりません。
(これに対しレベルの低いコンサルは、単に顧客が喜んでいたら、それでもって価値提供と満足したりする)
2.人材育成(ピープル・リーダーシップ)
マッキンゼーが「クライアントへの価値提供」と両輪で重視する、人材育成への強いコミットメント。
端的に言えば人をモティベートしてやる気にさせたか、また同僚の成長にコミットしてきたかが厳しく問われます。
最良の人材を惹きつけ、成長させ、繋ぎとめ、出て行った後もマッキンゼーアルムナイとしてマッキンゼーファンで居続けてもらうには、ひとえに優秀な人材の採用と育成があってこそ。
そこでマッキンゼーでは、コンサルタントを評価するときに、社員育成・成長にコミットしたかどうかが重点的に評価されます。
たとえ仕事をとってきてうまく回すことができても、同僚の人材育成に貢献しなければ上に上がれません。よって、組織全体が各コンサルタントの成長にコミットするカルチャーが浸透しています。
このことが、マッキンゼー出身者が経営する企業に、成長カルチャーが浸透していることの一因とも言えるでしょう。
3.アントレプレナーシップ
Get out of the comfort zoneー自分のコンフォートゾーンを抜け出して成長しようとしているかは、欧米トップMBAが候補者を選抜するときに重視するおなじみの項目です。
そしてこれは、マッキンゼーなどプロフェッショナルファームでの選抜にも頻出の項目です。
難しい課題に対してリソースを総動員して、新たな価値提供に貢献したか、自分の限界をストレッチして、自分がビジネスの起点となって主体性を発揮したかが問われます。
マッキンゼーのリソースを上手く活用し、またマッキンゼーのブランド、プラットフォーム強化に貢献する行動が求められます。
4.ソート・リーダーシップ
問題解決にいかに貢献したか、問題をストラクチャー化できているか、out of the box thinkingでユニークな視点で付加価値のある解を提供できているか?
”知的水商売”ともいわれるコンサルティング業務ですが、クライアントの信頼を得て相手を自分のファンにしながら、クライアントの課題解決に知的な貢献ができているかが、重視されます。
5.誰が言ったかより、何を言ったか~ヒエラルキーを排したフラットカルチャー
マッキンゼーでは、職階や年齢、職歴に関係なく、ヒエラルキーを排してフラットな関係で議論することが強く求められます。
日本企業でよくある年功序列や、「若手は黙ってメモとり、雑巾がけやっとけ思考」は御法度。
逆に若いコンサルタントにヒエラルキーを感じさせるような高圧的な態度をとれば、その行動は360度評価で厳しくとがめられ、パートナー昇進レースから脱落する羽目になります。
6.アップオアアウト~イエローカードがレッドカードに変わるのは早い
コンサルファームにつきものの、最初のプロジェクトをよく選ぶ重要さ。
最初の評価が低いと、総じて入れてもらえるケースがガクンと減り、自身に対する社内の評判も下がっていくため、コンサルキャリアにおける死活問題になりかねません。
面白いプロジェクトに入れてもらい、モティベーション高く頑張るためにも、自分がクライアントおよびチームに価値を出せるプロジェクトをきちんと見定めたいもの。
一度目のイエローカードでクビになることはありませんが、いわゆる「ワーニングレター」に匹敵する重大局面です。
この窮地とストレスにめげることなく、次のプロジェクトでクライアントへの価値出しと、同僚の成長に貢献できなければ、その次はないと心得ましょう。
7.公正さを担保する評価制度
この「評価への納得感醸成」が、マッキンゼーの組織的な強みの最大の特徴の一つです。
半年に一回、自分と働いたマネジャーが上記に代表されるマッキンゼーの社内評価項目に基づき、具体的なファクトを描きながらレビューシートを作ります。
複数のマネジャーから上がってきた評価をもとに、コンサルタントの評価委員会が、アソシエイトプリンシプル複数名で開催されます。
そこで、各コンサルタントの良かった点、改善点が公正に評価されます。
そして各コンサルタントに自分の評価や昇進見込み、改善点、それがクリアされればいつ昇進する見込みであるかが、詳細にフィードバックされます。
この「公正な評価への納得感」が、マッキンゼーが優秀な人材を惹きつけ、繋ぎとめることができる、最大の特徴の一つだと言えるでしょう。
マッキンゼーカルチャーを鑑みた、マッキンゼーへのフィットの有無とは?
このように、クライアントへのバリューへのこだわりと、コンサル各自の成長にコミットしたマッキンゼーの”2大デュアルカルチャー”は、卒業後も各方面で成長を続けるマッキンゼーアルムナイの、強さの源泉と言えるでしょう。
逆に言えば、クライアントへの価値より自分がやりたいことを追求したいタイプ、同僚の成長よりも、自分が熱中する事業の成長に特化したいタイプは、優秀かどうかの問題ではなく、マッキンゼーカルチャーが合っていない、ということができるでしょう。