ポストコンサルのキャリア

ポストコンサルのキャリア

人生100年時代と言われて久しいが、キャリアを築く上で20〜30代が非常に貴重であることは変わらない。仕事に忙殺されている方にこそ是非読んでほしい、キャリアの考え方の寄稿である。
私は以前、外資系戦略コンサルファームに数年間、勤務した。コンサルファームの卒業生ネットワークは、私にとって大切な無形資産である。現在もつながっている数百名の元同僚や知人の元コンサルのその後をたどり、これからコンサルになろうと考える方に、「コンサル後」のイメージをもってもらいたいと思う。
 

 
ポストコンサルは、引く手あまた:何がやりたいかをよく考えよう!
 
 コンサル会社で働いて1-2年が経過すると、何となく、次のキャリアを考え始めるようになる。その理由はさまざまだが、初めは夢中になってこなしていたハードワークがこの先ずっと続くのかと思って空しくなったり、理不尽なクライアントのプロジェクトから逃避したくなったりは、多くのコンサルが経験するところである。また、周囲の同僚が、次々と華麗な(?)転職をしていくのを、日々、目の当たりにするのもその理由であろう。
 
 そこで何社かの転職エージェントに登録すると、それからはイヤと言うほど、誘いの声がくるようになる。私自身も、他のコンサル会社、外資系投資銀行のアナリスト、ベンチャーキャピタル、エグゼクティブサーチファーム、日本企業の経営企画、外資系企業のマーケティングなど、いろいろな業種・職種からの誘いを受け、話を聞きに行った。
 

 私はコンサル後に4回転職し、それなりに上手くキャリアを重ねられた。「転職のコツ」については、別途まとめてみたいが、転職において重要なポイントの1つは、「キャリアの軸」を持つことである。コンサルで得られる経験やスキルは、幅広い仕事で活用可能なオールマイティーなものであるため、選択肢はとても多い。しかし自分で「キャリアの軸」を持っていないと、方向性を誤ることになりかねない。
 
 
自分の価値観は、8つのキャリアアンカーのどれに当てはまるか?
 
 「キャリアアンカー」という言葉を聞いたことがあるだろうか。キャリアアンカーは、米国MITの組織心理学者、エドガー・シャイン博士が提唱した概念で、個人がキャリアを選択するときの軸となる価値観を示す。つまり、アンカーは船の碇(いかり)なので、長い人生を航海する上で、方向を誤らないように指針を示してくれる、自分が大切にしたい価値感のことである。
 

 シャインは、多くの実証的研究の結果、キャリアアンカーを8つに定義づけた。ポストコンサルを考える人にとって、それぞれの場合に、どのような仕事が適しているかを考えてみる。
 
 
専門・職能的コンピタンス(Technical/Functional competence
 自分が得意としている専門分野や職能分野での能力発揮に満足感を覚える。転職先: 別のコンサル会社、外資系金融
 
②全般管理コンピタンス(General Managerial competence
 組織内の責任ある地位に立ち、自分の努力によって組織の成功に貢献。その結果、高い収入を得ることに喜びを感じる。転職先: PEファンド、事業会社のマネジメント
 
自律・独立(Autonomy/Independence
 組織の規制や手順、規範に束縛されない。自分のやり方、自分のペース、自分の納得する仕事の標準を優先する。転職先: フリーのコンサルタント、研修講師
 
保障・安定(Security/Stability 
 安全で確実、将来を予測でき、ゆったりとした気持ちで仕事をしたいという欲求を優先する。転職先: (コンサル経験者でこのカテゴリーの人は多くないと思うが、子育て中の女性などではあり得る。)比較的大きな企業のマーケティング部門など。最近は日本の大手企業への転職も多い。
 
⑤起業家的創造性(Entrepreneurial Creativity
 自身で新しい組織、製品、サービスを生み出して、新しい事業を起こし、存続させ、経済的に成功させたいと強く意識する。 転職先: ベンチャー起業家、クリエイター
 
奉仕・社会貢献(Service/Dedication to a Cause) 
 なんらかの形で、世の中をもっとよくしたいという欲求に基づいてキャリアを選択する。転職先: 公的機関、NPO、社会起業家
 
⑦純粋な挑戦(Pure Challenge
 不可能と思えるような障害を克服する。解決不能と思われてきた問題を解決する。極めててごわい相手に勝つことが成功。転職先: ベンチャー企業での新規事業立上げ
 
⑧ワークライフバランスLifestyle 
 個人、家族、キャリアのニーズをうまく統合したい。転職先: 外資系メーカー
 
 
 キャリアアンカーは、人は自己概念に首尾一貫性や統合性を求めようとするものであるという考え方に立っている。いったん確立されたキャリアアンカーは、個人のキャリア全体にわたって、安定し続けると言われる。
 
 一般的に、キャリア・アンカーが明確な人は、社内異動や転職などのキャリアチェンジが希望通りになることが多い。これは、自己理解がきちんとできており、自分のキャリアで「こだわりたいこと」が明確になっているためである。
 
 ちなみに私の場合、キャリアアンカーは、⑧ワークライフバランスである。妻もフルタイム勤務で、子どもも複数欲しかったため、コンサル後は、外資系メーカーの経営企画、マーケティング、事業責任者のキャリアを歩んだ。
 
 
 新卒時や若いときには、何となくカッコ良くて収入も多そうなので、コンサルを選んだ人も多いと思う。「コンサル後」を考えるときには、「自分のキャリアアンカーは何か」を自問自答することをお勧めする。

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