ベインアンドカンパニー面接志望動機:面接事例及び戦略コンサルエントリーシート
氏名( YK)
大学(東京大学大学院○●研究科)
志望業界( 戦略コンサルティングファーム、シンクタンク、製薬業界 )
志望会社 (Bainなど)
あなたの志望動機は何ですか?(業界及び第一志望の会社に対して)
製造業、とりわけ生命科学研究が基盤とする企業の価値向上に貢献したいと考えたからです。私は再生医学と脳神経科学分野で研究してきた背景を活かして、生命科学とビジネスの融合の手助けをしたいと考えています。
再生医学はまさに再生医療に直結し、脳神経科学は中枢神経疾患に直結する学問であり、両分野とも基礎研究の発展が著しく今後20年間程度で私達の医療に変革をもたらすと予想されます。
その際、基礎医学研究とビジネスの両方の言葉を理解できるブリッジ役がいると、両者の融合を効果的に進めることができ、当該企業の価値向上に貢献できると考えられます。
基礎医学研究を通して培った、事実に基づいて論理的に考える経験を活かして、まずは様々な企業価値向上に力を尽くし、ゆくゆくは自分の研究してきた分野とビジネスの架け橋となっていきたいと考えています。
外資セミナーからの解説
「再生医学と脳神経科学分野で研究してきた背景を活かして、生命科学とビジネスの融合の手助け」はいかにも頭良さげで、将来のビジネスのエキスパタイズを印象付けている。
「研究してきた分野とビジネスの架け橋」の話も、いかに続く様々な面接に一貫して登場しており、「単に研究したいなら研究者になれば」という人が多い中で、「お金の匂い」をいい意味で醸し出している。
あなたの強みは何ですか?(志望業界の業務に直結する強みを、具体的にお書き下さい)
① チームで複数の作業を効率的に遂行していく力がある。例えば、マクドナルドのキッチンでのアルバイトである。マクドナルドで働き始めて約1年後、注文が立て込む中、同時進行で作業をこなしていることを買われ、各作業場に何をどれだけ作るかを指示するポジションを任された。
そこで私は以下の3点を意識して働いた。
① 優先順位。マクドナルドでは商品のセット販売がほぼ毎日行われる。各種セットで共通する商品や、セットに組み込まれた作成に時間のかかる商品の作成を優先的に指示した。
② 同時進行。作成に時間のかかるものは簡単に作れるものと平行しながら作るように指示を出した。
③人の配置。忙しい時間帯では、熟練者を注文が途切れないポテト揚げ場や季節商品を扱う場に配置し、新人は注文対応に影響の出にくい作業場に配置した。余裕が出来たら、熟練者と新人の配置を交換し、新人教育も行った。この働きぶりによりマネージャーへの昇格を薦められた。
外資セミナーからの解説
彼はマクドナルドのバイトをしただけでもその能力をいかんなく発揮している。焼肉のバイトをやっている貴方も、コンビニの店長を任されてる貴方も、薄っぺらいイベントを書くだけではなく、彼のように「コンサルとして働く上で本質的に共通する強み」を嫌みなくアピールできるようになりたいものである。
ちなみに彼はバイトの身分にしてマネジャーへのプロモーションを獲得するという、マクドナルドの事例だけでも十分威張れる実績をものにしている。何かにつけて「証明できる実績」を残すと、後々に自分を証明するクレデンシャルとして貴方を助けてくれるのである
あなたの弱みは何ですか?(志望業界の業務に直結する強みを、具体的にお書き下さい)
一度何かに取り組んだら、それが終わるまで無休で取り組んでしまうことです。
例えば、大学での実験レポートがあります。ある生物実験のレポートでは、締め切り3日前あたりから取り組み始め、提出まで一睡もしませんでした。レポートで考察する内容のために、インターネットを検索したり、図書館で参考書を調べたり、レポートそれ自体の体裁を整えるためにデザインに凝ったり、などです。
外資セミナーからの解説
弱みを聞かれても巧みに「自分の強み」を嫌みなくアピールできている。
「一に頼まれるといやといえなくて、、、」みたいな、一般的で甘っちょろい「強みの裏返しを狙ってるのが見え見えな弱み」に比べ、ここでも彼は輝いている。
「自身の強みとそれを裏付ける経験・出来事」(1,000文字以内)
私の強みは、①データ収集及びその分析を含む仮説検証作業、②その仮説検証結果のプレゼンテーションの2点を日常的に行っていることと、これら2点の継続的実行を可能にする③芯の強さを持っていることにあります。
まず①を説明します。私は(○●○匿名性のため削除)の研究室に所属し、神経生理学分野の研究をしています。神経生理学とは、記憶、感情や意識といった脳の複雑な働きを担う神経細胞の活動を研究する学問です。神経細胞は別の神経細胞とシナプスと呼ばれる接合部位を介して、電気信号を伝達しています。
このシナプスにおける電気信号のやり取りは(○●○匿名性のため削除)と呼ばれ、脳の複雑な働きを生み出す基本単位と考えられています。
私は(○●○匿名性のため削除)の分子メカニズムに対する仮説を立て、検証実験を立案計画した後、実験データを収集し、分析作業を経て仮説を修正し、さらにそれを検証する、という一連の仮説検証作業を日々繰り返しています。
次に②を説明します。私は週毎に日々の仮説検証結果を指導教官にプレゼンテーションし、それに基づき修正された仮説とその検証実験計画を指導教官と議論しています。
そして、軌道修正を重ねた仮説とそれを支え得る実験結果がまとまり次第、学会等でポスターまたは口演発表をしています。加えて米系英系学術雑誌に掲載論文を持っています。修士課程時の研究成果によって、(○●○匿名性のため削除)の口頭発表審査をパスし採用されました。
最後に③を説明します。
まず、私は月曜日から金曜日まで講義と実験で時間割が埋まる
(○●○匿名性のため削除) (東京大学)を、土日計10時間以上(○●○匿名性のため削除)
でアルバイトをしながら卒業しました。当時は(○●○匿名性のため削除)が流行中で、修羅場のような忙しさでした。
この状況下、卒業75単位内訳は優65、良10でした。
大学院修士課程時は(○●○匿名性のため削除)と研究を両立し、特別研究員に採用されています。博士課程では、週2回ジムで身体を鍛え、身体能力を維持しています。
以上のように、①仮説検証作業と②仮説検証結果のプレゼンテーションを日常的に行っていることと、これら二点の継続的実行を可能にする③芯の強さを持っていることが私の強みです。
特に①と②に関しては、仮説検証のための最速且つ必要十分な実験計画は何か、どのような言葉と順序で説明すれば仮説検証結果を聞き手の腹に落ちるように伝えることが出来るかを自問し、これらの能力向上に努めています。
外資セミナーからの講評
彼は過去外資セミナー参加者の中でもトップクラスの実力を見せてくれている。
「生命科学研究が基盤とする企業の価値向上に貢献」と、将来やりたいこととやってきたことがまず、「いかにも難しそうで賢げ」である。
そんな曖昧な印象で、、とか貴方は思うかもしれないが、面接官一同、「賢そうな人に、賢げな分野について語られたら、何割か増して賢そう」と思うものなのである。
さて、彼はマクドナルドのバイトの事例でいろいろと書いているが、仮にこれだけであれば当然彼は引き立たない。
しかし彼は巧みに、マクドナルドの事例からコンサル業務で本質的に必要とされる能力のアピールにつなげている。「資料の見せ方にこだわりすぎる」なども、「一枚一枚のページの分かりやすさに命を捧げるコンサル」での強みを十分に意識できた書き方になっている。
加えて彼はその弱みでも抜かることなく、巧妙に御自身の強みを大アピールしている。
仕事に没頭して無睡眠で3日働く根性が、「普通の賢いアナリスト」と、「最後のextra mileを走れるとっとと昇進するアナリスト」の分け目なポイントなのである。
(そういえば昇進の早いアナリストやコンサルは、確かに休日も寝袋を持ち込んでオフィスで寝ていたのを思い出す。そいつがいるせいで、周りももっと働かなくてはいけない、みたいなオーラをだせる社員は会社にとって大変ありがたいものである。)
そして彼の優秀さの極めつけはエントリーシートに表れている。これを読んだだけでもはや内定を出したくなるし、面接では私なら「実力を判断するための面接」ではなく、「とにかう弊社を売り込むための面接」に切り替えるであろう。
仮説検証とプレゼンテーションの繰り返しは、まさしくコンサルの本質的な仕事内容であるのみならず、欧米の科学雑誌で引用されるなど実績を積み残しており、最難関学部の一角で、見事に9割のAをGPAで達成している。
マクドナルドの昇進の話も相まって、何をやらせても「実績を残せる人材」という力強いメッセージを全ての問答で伝えてくれている。