投資銀行勤務の教訓”泥臭い経験”と”ニッチ領域での専門性”が将来の独立に繋がる
大手外資系証券の投資銀行部門から不動産投資部門に異動、2000年代後半は中・小型ディールの多くを自ら取り仕切る機会にも恵まれました。サブプライム危機以降、上司達が退職してゆく中、焦げ付いた投資の火消しに奔走しました。その後、外資系不動産投資ファンド会社に合流しています。
華々しい成功者のイメージを抱きがちな外資金融ですが、私は外資セミナー参加者の皆さんに “綺麗なキャリア”だけでは厳しい競争に晒され続けるという点を伝えたいと思います。特に将来の独立を視野にいれるならば多様な資産、ニッチであり特殊なスキルが必要とされる投資領域へのキャリア形成の有用性をお伝えしたいと思います。
新たな職場に移ってから数か月~1年と節目節目で古巣の某外資証券を見返すと、大リストラが繰り返されており、ぞっとします。その部門では、リーマンショック後2010年台に入って攻勢に転じると発表していましたが、綺麗ごと通りにはゆかなかったのでしょう。
元投資銀行のマネージャ達は、いまだに夢を忘れられないのでしょう。新規ファンド立ち上げの華々しい話しはあちこちで聞きます。しかしそれらが上手くいった、という話はあまり聞きません。
その中で、成功している例と言えば、不動産だか不良債権だかプライベートエクイティだか判らない混沌とした資産に投資するマネージャです。これまた機関投資家から富裕層まで混沌とした投資家層から資金を引っ張ってきて、オーダーメイド型のファンドを無理やりこしらえて、何とか運用してゆく…といったスタイルです。
なんだかデイトレーダーやウェブ・アフィリエイターの世界のようですね。稼いでいるのは参加人数全体の1~2%程度。90%以上は小遣いも稼げない。
もちろん洗練されたネットワーク(前職やビジネススクール時代の人脈)も大事なのでしょうが、華麗なる人脈が案件に結びついていないマネージャも死屍累々としています。それよりも泥臭い、多少アングラな香りのする、そんな手腕が必要な時代なのかもしれません。