なぜ長期投資が重要なのかというより、長期投資しか選択肢が無い?
短期の価格変動は予測できない
そもそも短期の資産価格は予測できません。(短期と長期の境は何年なんだという議論は曖昧なのですが、総じて長期国債の期間と同様、10年程度のタイムスパンを指すことが多いです。)
地震が起きたりミサイルが飛んできたり、下方修正があったり原油価格が急騰したり、謎のウィルス伝染が拡大したり、アメリカの鉱工業生産指数が下がったり、中国の不動産会社が倒産しかけたりと、ありとあらゆる事柄が投資家センチメントに影響します。
しかもその影響の度合いも刻一刻と変わるので、資産価格の短期の価格変動は、どのような投資の神様でも、予測はほぼ不可能であることが多いです。
長期の大勢はある程度予測可能
これに対し、10年、20年といった長期資産価格は、長期的な大きな動向を抑えていれば方向性は外さないため、長期投資の方が短期投資より予測しやすい側面があります。
たとえば日本に関しては人口は減り、高齢者人口比率は増加し、デジタル化が進み、ESGに代表されるような非財務要素が投資家に重視されるようになり、、といった大きなトレンドは、よっぽどのおっちょこちょいでもない限り、外しようがないのです。
短期売買を繰り返すと、取引コストがかさんでネットリターンが低下
なお短期で売買すると、トランザクションコスト(取引手数料)が嵩むというデメリットも見逃せません。これに対し、一度投資した後は「バイアンドホールド」で10年位放置しておいた場合、取引コストは最初に買った時と、10年後に売った時の2回だけということになります。
この取引コストなどの手数料を引いたネットリターンで比較すると、こ「の手数料の高低も投資収益に大きな影響を与えるものなのです。
そもそも一般の大多数の人は、少しずつ投資するしかない
あとは現実的な話をすれば、巨額の資産を親から受け継いだり、数億単位のボーナスを貰っている一部の人でもない限り、投資は月々の給与から生活費を除いたいくばくかのお金を、徐々に積み立てていくしかありません。
すると好む好まないにかからわず、長期に渡って少しずつ投資を積み増していくという意味で、長期投資にならざるを得ないという人が多いのも現実なのです。
PS なおうがった見方をすれば、投資ファンドを運用する資産運用会社にとって、ファンドへの投資家が短期で資金を引き揚げるとビジネスに打撃が大きくなるので、長期投資を推奨するインセンティブが働いているのも間違いないでしょう。