コンサル転職の衝撃①:お客の実態~成果より、”コンサル雇ってみたかった。”
ある業務改善プロジェクトで、大企業グループの子会社の一フロント部門を対象としたものがあった。業務改善のアウトプットは、例えば定量的には「工数XX人月削減」「残業時間XX時間削減」といった形のものが期待される。
しかし、冷徹に数字の面から語った場合、上記の削減効果を金額換算したときに、プロジェクトフィーを回収することはまず無理なように思われた。にもかかわらず発注する側の論理とはいったい、何なのか。
私見ながら、クライアントの経営企画側からすると、「コンサル入れました!」というお墨付きが欲しい場合があるように思われる。フロント部門では数万円単位の費用節減に励んでいるなか、経営企画部門には千万単位のプロジェクト予算がついたりする、ということが起きる。大企業にありがちな「お財布が違う」という現象かもしれないが、改めて驚かざるを得なかった。
特に戦略コンサルが景気の上昇局面でも下降局面でもそこそこ仕事をもらえていると言われる背景には、この経営企画部門の「MやBも雇って手は尽くしたんやで」と言いたいニーズというものが、潜んでいるような気がしてならない。