医療業界の全体最適化を目指すTXP medicalへの転職:救急医の挑戦!

医療業界の全体最適化を目指すTXP medicalへの転職:救急医の挑戦!

東大医学部出身者により立ちあげられた有力医療ベンチャーとして注目されるTXP medical。コンサルや総合商社をはじめ、非医療バックグラウンドからの転職者を幅広く採用している。今回は代表取締役の園生氏とCMOの今井氏に、TXP medicalのビジョン及び事業内容と、転職の機会について話を伺った。インタビュアー:ストロングキャリア Zキャリア部門 野間円。東京大学工学系研究科 修士課程1年。医用工学、再生医療分野における幹細胞制御を研究中。

医療業界の全体最適化を目指すTXP medicalへの転職:医療業界未経験者歓迎!

本日は、医療分野の注目スタートアップとして資金調達と採用拡大を活発にされておられるTXP medical CEOの園生さん及び、CMO今井さんにお話をお伺いします。

TXP medicalとはどんな会社なのか:日本の医療業界全体のオペレーション改善・最適化を図るリーディング企業

Q:TXP medicalを創業するに至った想いをお聞かせください。

園生氏:私自身医療現場に携わり始めてからの期間は長く、救急医としては11年目くらいです。そこで痛感したのですが、医療現場というのは書類業務だらけです。そこに電子カルテの導入は進んでいるものの、それによって医療現場の生産性は上がっていません。

一方で、世間ではその先にあるデジタル化、AI医療が叫ばれる中で、医療現場と世間の認識に大きなギャップがあります。たとえば未だに日本の医療現場では救急車から搬送受入情報が電話で入ってくると、すべて紙にメモを書いています。

医療現場の泥臭い現状と、医療業界を取り巻く紙のデジタル化、AI導入による診断支援といった取り組みに大きなラグがあると感じています。私はまずはそこを解決したい。

つまり医療現場のオペレーションにしっかり寄り添って、いいオペレーションを作っていく必要があると感じたことが、私がこの会社を立ち上げた根っこの原体験です。

救急医療の現場にフィットしたプロダクトで、日本医療全体の効率化を目指す

Q:救急というのは一分一秒を争うものですよね。そこでいまだに紙をベースにしていてデータ化が進まないのには、どのような要因があるのでしょうか?

園生氏:一分一秒を争うからこそ、紙なんです。現状の技術だと、紙に書くのが一番早い。現状、救急医療の現場で紙に書くより早い技術は存在しないんです。

「患者さんを煩雑な家の中から、助け出して、雨の中救急車に運んでいく中で、手袋したままログインしてデータを打ち込んでいって・・・」これは現場にいると非常に負担なんです。

ただ、ここは技術革新の可能性もあります。動画送信や音声入力といったなんらかの形で、手入力よりも早い情報共有が可能になることもあり得ますよね。

ただその場合も、動画がただ垂れ流されても困るので、ある程度まとめられた情報だから意味があるわけです。ここでは現場感・臨場感が非常に重要なポイントとなります

「この時にはこの情報が大事」「この時は一分一秒を争う」「この時はある程度落ち着ている」そういった救急医療の現場感にフィットしたプロダクトじゃないと、医療従事者には刺さりません。

手袋をした状態で使えるかとか、一分一秒を争う中で落として壊したりした場合のことを考えているかとか、「デジタル化すべき」・「デジタル化できる」というオペレーションのポイントの粒度を、現場感を元に上げる必要があります。

医者がみんな電子カルテに文句言うのも、自分たちでもっと使いやすいプロダクトを作ることができる肌感があるからです。実際に自分の病院だけでより利便性の高いものを内製している医者も多いです。

ただそういった人たちと僕の違うところは、自分の病院だけじゃなくて、初めから日本中で使えるものを目指したかった。一部のシーンで利用される特殊な機能のようなところを削り取り、ベーシックなものを最低限なカスタマイズで日本中の救急に配れるようにする。

そういうことを考えながら、東大病院時代から、誰も見向きのしないデータベースを作っていました。

ベンチャー企業への転職時に重要なのは、「心底共感する社会的意義の大きさ」

園生氏:TXP medicalのビジョンと、社会的に成し遂げたいことの大きさは、Start-upの中でも非常に大きいと考えます。

医療関連ベンチャーはたくさんありますが、これまで医療ベンチャーでしっかり創業者が株式を持ったままIPOした会社のキャッシュポイントは、多くが人材紹介業です。

もちろん医療従事者の人材紹介は単価が高いし、大きな市場であるのは認める一方で、私たちは人材紹介じゃないところで会社を大きくしたい。

具体的には、データを扱ったり医療現場のオペレーション改善というところです。オペレーションやデータがうまく繋がっておらず利用し辛いというところで医療従事者も患者も困っているので、そこを解決するということに真正面からアプローチしてしたいと考えています。

そういう意味で、私は真っ直ぐに医療に向き合って、その結果ビジネスが回るようにしていくというところに全力を注いでいるので、社会的意義の大きさもTXPの大きな魅力だと思います。

TXP medicalの製品・サービスは、営業しなくても売れる深いワケ

Q:医療業界に関して個人的にはお堅いイメージがあるのですが、そういった分野で新しいビジネスをしていく際の難しさはどのようなところでしょうか?

園生:僕がビジネスとしてGOを出すか否かの判断基準は、会社が儲かるからではないです。儲かるというのもレイヤーがあって「その会社が儲かる」「医療機関が儲かる」の二段階ありますが、日本はそもそも過剰医療の国なので、日本で医療の最適化をした場合、医療機関の収益は減るはずなんですね。つまり後者は前提としておかしい。

私たちの判断基準は、「医学的に全体最適かどうか」です。医療ベンチャーは本来ここにとことんこだわるべきと私は考えます。医療機関統合集約による地域医療の全体最適化に反する動きや、保険診療報酬の想定外の利用方法で儲けたりするのには、私は反対です。

そういった所で、TXP medicalは医療に対していいことをしているということ自体がマーケティングになるので、医療従事者からマイナスのイメージを持たれることはなくて、営業しなくても物が売れます。

医者には頭の良いひとが多く、小手先で儲けようとしている会社なのか、本当にいいことをしようとしている会社なのかは容易に見抜かれます。

堅い業界ですが、「医療業界における最適化」をしっかり頭を使って考えて、それに恥じないビジネスをしていくということが一番のマーケティングです。

じっくり考えていけば、今の医療の非効率を解決し、キャッシュも何処かに生まれ、それがビジネスモデルの起点に流れていくという活路が必ず見出せるはずで、それを考え続けてビジネスとしてしっかり会社に反映していくというところを大事にしています。

TXP medicalのビジネス概要:救急医療が有名な全国の病院で、トップクラスのシステム導入成功実績

Q:ありがとうございます。それでは次に、御社のビジネスモデルを教えてください。

園生:私たちはまず医療現場の書類業務を効果的かつ効率的にする、そして病院の医療従事者の方々に喜んでもらえるようなツールやプロダクトを作り、現場を味方につける。これが私たちがまずやりたいことです。そして、その先に様々なビジネスモデルを検討しているところでもあります。

具体的には、まず大病院救急外来に特化したシステム(NEXT Stage ER)が挙げられます。全国に病院は約8,000カ所あり、その中で救急医療が有名なところ(救命救急センター)でいうと300カ所ほどしかありません。その300カ所の中で42病院にシステム導入を達成しています。

ご存じの通りこういった病院の多くは大学病院だったりするので、普通のStart-upがドアノックでアクセスできるようなところではないんですね。また、大病院は通常の診療行為や昨今で言うとコロナの対応などで非常に多忙なため、我々のシステム導入を検討する時間がなかなか取れなかったりします。

そのため我々のビジネスの足は非常に長く、3か月から6か月、長い時には1年という月日をかけて商談を丁寧に進めます。

 そういった努力もあり、今では大病院救急というセグメントにおいてはNo.1かつスタンダードになりつつあると感じております。

ただし、1病院あたり年額あたり数百万ほどのサブスクリプションモデルであり、これだけビジネスとして成り立つレベルではないと感じております。ですので、私たちはこの先にもう少し広いビジネスモデルを考えています。

TXP medicalでの様々なビジネスモデル追求の可能性

園生:私たちは最終的には保険をやりたいと思っております。その手前では、製薬会社向けのビジネスも考えています。

たとえば、急性期の疾患の治験というと、その実施が難しいのが一般的ですが、私たちは脳卒中など、急性期疾患の対応に強い病院にシステムを多く導入してもらっています。よってそのような病院にもアクセスができます。つまり、製薬会社の患者リクルーティングビジネスにダイレクトにアプローチできるのです。

これが実現すれば1回の治験で数億円というビジネスが成立し、治験は2,000億円規模のマーケットなのでそこの何割を取っていけるかという勝負もできます。

さらにもう1つ、一般病院へのマーケット拡大があります。地域の救急隊、消防隊に入っていき、地域の一般病院にアクセスする。

一般病院では電子カルテを上手に使えていないケースも多いので、モバイルカルテや音声入力に基づくオペレーションの効率化を打ち出していく、ということも考えています。

これらのビジネスモデルを組み合わせ、病院側のマネタイズポイントと治験・製薬会社のマネタイズポイントを両手で取っていく、これが今私たちが構想するビジネスモデルです。

病院に最終的に残る機能とは?~医療の全体最適のど真ん中での、ダイナミックな取り組み

Q:ありがとうございます。続いて、御社でのキャリア機会や働き甲斐に関してお伺いします。TXP medicalの方々は、どのようなモチベーションで入社し働いている方が多いでしょうか?

園生氏:医療業界のビジネスという意味では、先ほど話したように、横道から行くような会社も目立つ中で、TXPは、医療の全体最適に対してど真ん中で取り組んでいます。

僕は急性期の医療がすごく大事だと思っています。慢性期のがんや 認知症や 不整脈ももちろん重要ですが、やはり救急医としては、目の前で人が倒れたり、事故に遭った人をさあ助けないといけない、という状況で人を助けることに対して、一番の醍醐味を感じます。

病院はこれから機能の細分化と集約化が進んでいくと考えられます。

それに対してリソースリッチな病院でないとできない最後の砦となる機能は、救急とオペ室とICUだけと考えます。外来機能はクリニックが、療養機能はホテルが補完できます。

クラウド型カルテの利用が当たり前になるクリニックや、一般外来では普及しつつあるオンライン予約などに対し、未だ非効率が多い救急。ここを変えていきたいです。

医療系ベンチャーへの転職で、医療業界のバックグラウンドが不要な意外な理由とは?

Q:ありがとうございます。非常にエキサイティングなお話なのですが、このメディアはコンサルや金融、その他プロフェッショナルファーム出身者が多く、必ずしも医療バックグラウンドがある方は多くはありません。そんな中、御社と共に今後医療業界の効率化を目指していく中で、医者、医療業界のバックグラウンドがない人でも働けるチャンスはありますでしょうか?

園生:もちろんです。エンジニアなどでも、現場に入れば、センスが良ければ見えてくると思います。それで見えたものをベースに事業につなげていくと言うのが重要だと考えます。分野の違いではなく、現場に対する理解度さえ高められれば、十分戦える素地はあると思います。

医者の場合はある意味そう言うところが当たり前になってしまっていて、抽象的な思考ができる人でないと、あるべき医療業界の姿は逆に思い描けないかもしれないですね。

今井くんなんかは、もともと医療のバックグラウンドはないですが、一週間くらい泊まり込みでどこかの救急病院か集中治療室に張り付いた経験があり、今やそこらへんの医者より医療業界に対するビジョンを語れる様になっています。

しっかり通い詰めて、現場をみる、そしてゼロベースで課題発見をしていくことができることが重要かなと感じます。

<以下、株式会社T-ICU社長室長→TXP medicalに転職された今井氏/京大アメフト部出身による回答>

医療業界出身者でなくても、「外から目線」でバリューアップ

Q:TXP medicalに転職するにあたって、向いていると思われる人材はなんでしょう?

今井氏:主体性・当事者意識が強い方ですね。そういう方は私たちのところのようなStart-up業界に是非JOINしていただければと思います。

理由としては、裁量権が非常に大きいことですね。自分が考えたことを実現することが大企業に比べて非常に容易です。

大企業は教育の場はしっかりしていますが、問題はそれを実戦する場がほとんどないということです。実践できるのはせいぜい40歳前後(管理職に就いたころ)ではないでしょうか。

そして、私自身医療業界に入って3年弱ですが、医療業界自体、めちゃくちゃ面白いです。その世界に染まった医療業界の人は良くも悪くもそれが当たり前だという旧態依然の考えを持っている人も多いのですが、僕はそういった方々とは違った「外からの目」の意見を伝えることによって、バリューを出せます。

また、医者という人種は勤勉で真面目な人が多い中で、過去の文化を踏襲していて無駄が非常に多いことがあります。

彼ら彼女らが楽になるような環境構築(業務負担を減らす)を通して、自分が医療従事者として関わらなくても、結果的に、そして確実に医療を良くしていけると思っています。

弊社でいうと、これは園生さんだけではできないと思っています。その中で自分なりのアイデアを持ってバリューを出そうともがく経験はすごく面白いなと感じているので、ぜひストロングキャリアに登録されているような優秀な人材の皆さんには、うちのような会社を検討していただければな、と思いました。

こんな人は、TXP medicalに転職してはダメ!大企業に残るべし!?~スタートアップへの転職を辞めたほうがいいタイプとは

Q:今井さん、ありがとうございます。それでは逆に、Start-upに馴染まないハイキャリア人材の特徴にはどのようなものがありますでしょうか。

今井氏:まず、自分で目標設定できない方は難しいと思います。それ以外にも自己学習能力が低い方や、誰かが教えてくれるのを待ってる方などは厳しいと思います。

Start-upは誰かが常に教えてくれるといった環境ではないので、空いた時間に自分でCatch-upする能力が必須になります。なんでも吸収につなげていける人はいいですね。やはり主体的な人は向いていると思います。

他業界から医療分野に転職して驚いた、衝撃の「医療業界の常識・世間の非常識」とは?

Q:主体的な問題発見能力が非常に重要になる中で、今井さんが発見した課題の中で、医療業界で特に解決すべきと感じた点はどのようなものでしょうか?

今井氏:やはり、不合理な慣習や文化が続いていることです。そもそも医者になる方々ってみんな大学受験時にはものすごく賢い方々です。そんな人達が揃いも揃って、「なんでこんな無駄なことしてるの?」って思うことは多々あります。

でもこれは、私も経験有るので分からなくもないんです。私は大学時代のアメリカンフットボール部で同じような経験をしてます。

当時練習で、じゃんけんで例えると「グーでどうやってパーに勝つか?」みたいな練習をしていた時期がありました。それを大真面目にやってたんです。勝ちたいから。

その時アメリカから本場のプロコーチに来てもらい、我々を見て貰ったアドバイスが「え?相手がパーならチョキ出せば勝てるよ」だったんですね。目から鱗が落ちましたね。

なので医療業界もこれと同じことが起こってるかなと思います。

そういった意味で外からの目線って大切だなと思います。

TXP medicalに歓迎する人物像:「ゼロベースの視点で新たなナレッジをもたらしてくれる人材」

Q:ありがとうございます。グーでパーに勝つための無駄な努力、内部にいると、意外と気付かなかったりしますよね(笑)。それでは最後の質問です。いまTXPにはどのようなバックグラウンドの人が多く、どんな人に積極的にアプライして欲しいと思われますか?

園生氏:特段医療現場での経験は求めないですね。しっかり自分の足を運んで自分で考えられる人材が欲しいです。医療現場の経験がある人材は多いので、それよりもゼロベースの視点で、新たなナレッジをもたらしてくれる人材ですかね。

今井氏:先ほどの話に加えて、人間的に愛嬌がある人だといいかもしれないです。愛嬌とIQって昔知り合った社長が言ってて、割と好きな言葉ですね。

園生)そうですかね?(笑)あ、僕は、今井のようにとんがった人が好きです。

Q:御社の社長と社員さんは、和気あいあいとしていて、えらく仲がいいんですね(笑)。それでは是非、医療業界の全体最適化を目指される御社TXP medicalで、主体的に学び裁量を持って働ける方で、愛嬌があって、しかもとんがっている方は是非、こちらから応募していただければ幸いです。

<追記>Zキャリア 野間円感想

今回のインタビューを通して印象的だったのは、現場感を理解するためには必ずしも元医療職である必要がないというお話でした。実際に自身で足を運び、多くを現場から吸収し新たな視点を還元できるというのは、他の職業と共通する部分でもあるかもしれないと感じました。医療業界に特有の問題点や、人材の向き不向きなど、広くお話をお聞きすることができ、大変勉強になりました。(zキャリアチーム:野間

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